〜 津嶋 宰 (旧16期)〜

角高校歌(歌詞)の文学的意義




誰しも母校は心の古里でもあり、そして母校の校歌に限りない愛着を持つものであろう。

一般に、校歌は学校創立の頃制定されて、代々、在校生によって、半ば伝統として受け継がれていると思う。

角高(旧角中)校歌は大正14年学校創立間もなく制定されている。

旧角中創立の父とも言われる角館町出身の画家平福百穂がアララギ派歌壇の宗匠島木赤彦に委嘱して、校歌歌詞を作成されたことは衆知のことである。

校歌の生り立ちと歌詞の文学的価値の秀逸であることはここでは紙幅の都合上説明を省く。

後世、母校校歌の作詞家島木赤彦は俳諧にあっては俳聖とも称される松尾芭蕉の域に迫っているとも言われる短歌大歌人の作詞であることに私達は改めて思いをここに致すべきであろう。

校歌「北日本の脊梁の、千秋万古……」はまさしく、大正、昭和初期における我が国の文学界の三巨匠、島木赤彦、齋藤茂吉と平福百穂の厚く尊い友情が生み出した文学的“宝玉”といっても贅言を憚ることはなかろう。

私達角高関係者が学校行事や同窓会、同期会等折につけて校歌を大合唱するとき、しばしば感動し、感涙にむせばずにはいられないのは“曲”のよき旋律と相俟って、歌詞の崇高な響、調子が強く胸を打つためであるといってよい。

まさに角高校歌は我が国教育界、文学界の永久の生命をもつほどの力となっている不滅の詩歌作品の一つというべきものと考えられる。(平成18年1月)


(註記:本題の詳細については同氏著「角高校歌(歌詞)の文学的考察」をご参照下さい。
    ご希望の方は事務局にご連絡下さい。)


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